初の試飲セミナー開催
by HARAYURIKO on Jul 31, 2026



酒造8年目にしてようやく、初の試飲セミナーを開催いたしました。
おそらくコロナがなければ2020年に開催していたセミナー。
コロナを機にBAR向けのリキュールから撤退し(飲食店休業のため)、一般消費者向けtoCのリキュールを企画販売して、クラファン4度も実施することで、2020-2022年を乗り越えてきました。
2019年発売の新規酒造でしたので、販路も拠り所も少なく、生き残るためにtoCに変化していった次第です。
2022年末になると、栃木は静かでしたが東京で屋外イベントが始まったため、弊社も東京に移動して出店販売を開始しました。
お客様との面識が増え、少しずつ注文も増えて、一般消費者への販売が弊社の価値提供のあり方の一つとなり、その路線は2023-2025年にかけて磨かれました。
その3年間の主力商品が「季節果実の冷蔵リキュール」です。
(この期間の感謝については文末に述べることといたします。)
しかし、季節商品を「毎月・毎週・毎日」作って出店販売するやり方が、持続可能か、再現性のあるビジネスモデルかというと、いずれ50代となる自分に託せる仕事ではありません。
特に酒税は国税ですから、全ての食材は工場に入った瞬間から課税されると言っても過言でなく、現金を管理するのと同様に、素材の増減をお金として記帳管理する義務があります。
その実務の膨大さから、管轄税務署の酒類指導官から「食材数、商品数を減らすことを検討していただけませんか...」と打診されるほどでした。
なんと年間240種の新酒を製造し、そのほかにも定番の常温酒を30種ほど製造している狂った状況でしたので、私は一人で雪山に登山するかのように、冷蔵商品の限界に登頂していたわけです。
このやり方は、もう「やり切った」といって良いでしょう。
(カクテルバーでやる仕事を酒造でやったらどれくらいパンクするのか実験してしまったようです。)
(食材の増減だけでなく、在庫の増減 ー 100ml,200ml,500mlをそれぞれ出荷した日に課税する記帳義務もあり、商品・度数・容量サイズ展開を増やすほど帳簿のページは増えます)
そのような経緯もあり、2026年に再び、2019年のBAR販路開拓の位置に、軌道を戻すことにいたしました。
初心でもある、「バーテンダーの自分が、どんなリキュールを作ることで、BARにどんな価値を提供し、貢献するのか」。
改めて、初心の続きの物語を始めることにしました。
セミナーでは弊社の新ブランド「TLQ」の新たな骨格となる「ヴィーガンとサステナビリティ」の解説、それから新商品TLQのテイスティングを行いました。
9月の新商品発売及び海外展示会の出展まであと1カ月ですが、海外試飲商品の発送はあと10日と迫っており、商品お披露目と共に、最後のブラッシュアップの段階でもあります。
敢えて「どこが物足りなくて、もっとこうだったらいいな」と感じるかを、一人ずつ席に歩み寄って伺い、メモさせていただきました。
現場のバーテンダーからの率直なご意見は、とてもありがたく、一番望んでいたものです。

「より香ばしさを、より辛味を抑えて、より色を濃く」など要望があり、改善の余地がありました。
また、改善に応じられるものと、応じられない場合には一体何が障壁なのか、あるいは譲れない軸なのかどうか、改めて自分自身・商品自身を知る機会になります。
差異を知ることは、現状や骨格を知る貴重な機会です。
試飲会の翌日は、ほうじ茶の香ばしさを、「茶葉の選び直し、抽出時のアルコール度数の変更、温浸法」等で改善する方法を検討しました。
生姜梅酒の「辛味を抑えること」は、すぐに改善可能でした。
意外なつまずきは「コーヒーの色を濃く」という要望で、何が譲れないかといえば「カラメルの添加」は可能かどうかで、着色はNGというTLQの軸があります。
また、コーヒーはもともと乳白色〜緑色の豆であり、それを焦がして濃色が生まれます。
弊社のコーヒーリキュールは茶色なのですが、「コーヒーは黒である必要はない」と考える私がいました。
コーヒー蒸留酒など、透明の商品も市場にあります。
しかし今回、BARにおいて「カクテルの仕上がりに黒さを求める」ご意見を多数いただきました。
現場が使いたくなるものを作るのがtoBの本分ですから、「ニーズに応えたより黒いコーヒーリキュール」を提供できるよう、黒くする方法を考え始めました。
例えば弊社の「黒豆リキュール」は真っ黒なリキュールなのですが、素材のアントシアニンの効果もありますが、温浸法で作った際に、より黒さが抽出された実感があります。
ですので、次回はコーヒーを温浸法で作ることにしました。
ただし「TLQ」は国産素材のラインナップです。
少量生産ですが、栃木県那珂川町産の豆を使用した「なかがわ珈琲リキュール」を温浸法で作ることがベストです。
また、完全な黒を目指すのでなく「素材最大の黒」を目指して、黒さが足りない場合には、ナチュラルな色の理由を伝えていくか、ニーズが無ければ商品を撤退させるかです。
今よりも少しでも濃い色が出せたなら、一歩前進とします。
国産素材でないラインナップを残せるかどうかは、現状未定です。
ですが、公式にして海賊版の「Bootleg」というラインナップを新たに設けて、ピスタチオやラズベリーやコーヒーなど、海外原材料のリキュールも残したいと思っています。
残したいと思ってはいますが、目下、BAR向けの持続可能な製造ラインを定めることが任務で、そのために商品を集約する段階ですから、業務を多岐に増やす発想は一旦脇に置いておかなければなりません。
本当にいくらでもやりたいので、TLQも5種までと思いましたが、どんどん増えています。
最後に、こうした「商品開発・新規販路開拓の準備」といった、収入にならない、書類実務が4ヵ月も続く段階に(集約どころか新規業務が増えている現状に)、オンライン注文で買い支えてくださるお客様がいてくださるからこそ、挑戦が叶っていることを実感し、改めて感謝の思いです。
また、顔や名前の分かるお客様がいてくれるからこそ、注文備考欄に応援メッセージをいただけると、本当に一人ひとりの姿が思い起こされて、支えになります。
そして「このお客様は初めてのご注文だな」と思うのもまた嬉しく、ありがたく、
やはり、吉報を届けたいお客様の存在があってこそ、任務遂行力・忍耐力が生まれます。
そして、2025-26年の4月、横浜での展示会ブースに立ってくれたスタッフも、toCから生まれたお客様ボランティアスタッフなことに、本当に感謝の思いです。
さらには、海外展示会に同行する、海外勤務経験のあるスタッフもまた、toCから生まれたお客様スタッフで、本当に感謝の思いです。
2020年からのtoCから始まり、2022年末の出店から心強いお客様と出会って、2026年に初心のtoB軌道に戻る流れを振り返ってみると、何ら遠回りでも機会損失でもなく、必要な忍耐と出会いであったと、必然性と感謝を深く感じております。
本当にありがとうございます。
長くなりましたが、2024-2025年に開催した「お客様感謝祭」に続いて、2026年の感謝祭の実施を検討しております。
その企画時間が確保できるか、実際に開催できるかは現時点で未定ですが、「海外展開の進捗報告を兼ねながらのクラウドファンディング、および成果報告を兼ねたリターン会と全員ライブ合唱」ができる会場にて、お会いできればと思っております。
おそらく9月のオーストラリアの展示会を終えて、10月のドイツと11月の香港の展示会に向かうあたりに、遅れて開始するのではないかと思います。
感謝祭は2027年2月か3月の開催になると思います。
初の海外展開ですので、生産や商談のアフターフォローもどのくらいの時間を要するか、やってみないとわかりませんので、見通しは不明となり、申し訳ございません。
なお、体が資本なので、今年度の任務にあたり、気になっていた息切れと胸苦しさについて病院で検査し、貧血改善の鉄剤をいただきました。
不調は貧血由来でしたので、前向きに、私の規格も改善してまいります。
特にドイツは、宇都宮〜ベルリンまで24時間の移動と、時差含む展示会業務なので、体の強さが欲しいところです。
最初は自分の目で実際の市場を見て、TLQの商品規格に反映させていくのですが、
以降は動ける若手バーテンダーの方に海外出張やゲストシフトをお願いできるようになりたいです。
行きたいとのお声を試飲会でもいただきました。ありがたいことです。
変わる部分と、変わらぬ部分がありますが、
潮の満ち引きのように変化してこその安定であり、
困難こそ自然で、試練こそ人生であると、水のように実感しながら、
本日も業務を遂行します。
引き続きよろしくお願いいたします。
追伸
試飲会の帰路、新幹線から虹を見ましたので、お裾分けいたします。
